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NAS、そしてサーバーソフトについて徹底解説

音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第12回】「ネットワークオーディオで楽しむ(2) サーバー」

公開日 2015/04/30 10:46 逆木 一
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様々なサーバーソフトとナビゲーションツリー

サーバーソフトには「純粋なサーバーソフト」と、「サーバーソフトとしても機能する再生ソフト」の2種類があります。前ページに掲載したDiXiM DMCの画面に表示されたもののなかで「純粋なサーバーソフト」に該当するのは、Twonky Server、Asset UPnP、MinimServer、Kazoo Serverです。LUMIN L1 Music Serverも実質的にこちらに該当します。

「サーバーソフトとしても機能する再生ソフト」に該当するのはMediaMonkey、foobar2000、JRiver Media Centerです。これらは基本的に再生ソフトでありながら、設定次第でネットワークオーディオのサーバーとしても機能します。

このように様々なサーバーソフトがありますが、ソフトによって具体的に何が異なるのでしょうか。

まず、扱えるフォーマットが異なります。配信可能なコーデックが限定されている、192kHz/24bitを越えるPCM音源を配信できない、DSD音源を配信できない、などです。

それ以上に重要なのが、ライブラリに関する挙動です。デジタルファイル音源はタグに基づいてライブラリとなりますが、この時、「どのタグを参照し、どのような階層構造でライブラリをユーザーに提示するか」はソフトによって異なります。このタグに基づくライブラリの階層構造のことを便宜的に「ナビゲーションツリー」と呼びます。

PCオーディオではナビゲーションツリーは再生ソフトに統合されていますが、ネットワークオーディオではサーバーソフトがナビゲーションツリーを用意します。コントロールアプリは基本的にサーバーソフトが提示するナビゲーションツリーに基づいてライブラリを閲覧することになります。

以下の図はJRiver Media Centerの初期状態のナビゲーションツリーです。

JRiver Media Centerのメイン画面。左カラム上部の赤枠で囲んだ部分に「ナビゲーションツリー」が表示されている。拡大したものが下図だ



サーバーソフトごとのナビゲーションツリーがどのような構造になっているのか、確認してみましょう。

■Twonky Server


■Asset UPnP


■LUMIN L1


■MediaMonkey


■foobar2000 UPnP Server


■JRiver Media Center


■MinimServer


■Kazoo Server


「アルバム」「アーティスト」「ジャンル」といったごく基本的な項目はさすがにどのソフトでも用意されていますが、それ以外の項目はソフトによって様々です。ちなみに「フォルダー」あるいは「Folder View」という項目が、タグではなくフォルダベースのライブラリを直接的に見ていくというものです。

ナビゲーションツリーのカスタマイズの可否、可能な場合その範囲もサーバーソフトによって異なります。例えば「作曲者」で音源を絞り込みたい時、そもそもナビゲーションツリーに「作曲者」の項目が用意されていなければ、ツリーをカスタマイズする、あるいは別のサーバーソフトを使うといった手を打つ必要があります。音楽再生におけるサーバーの使い勝手はナビゲーションツリー次第と言っても過言ではありません

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